「なんで分かってないの!」蛍火は叫んだ。彼女の髪がふわりと浮かび、自分の意思を持ってるかのように炎のように揺れた。何も言えずに僕はそこに立っていた。彼女を怒らせてしまった。それは当たり前だった。だって、僕は時のルールを破ったんだ。言い訳のしようがないんだ。
「時間はあなたのおもちゃじゃないよ」今度は、怒りより悲しさを感じた。「なんで誰も分かってくれないの」彼女は自分に呟いた。
ちょっとイライラした。ルールを知らずに破ったわけではないよと言いたかった。でも、その瞬間に遠い昔の思い出が浮かんだ。
「よく聞きなさい、遵。時間はね、川のようなものだ。」それは先生がよく口にしていた言葉だった。先生は今の僕を見たらどう思うだろう。がっかりするだろうな。
でも、もう遅い。戻ることはできないんだ。やった事はやった事だ。それは変わらないんだ。
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今回の物語の題材はタイムトラベルですね。また男子の主人公にしたんですけど、次の物語は女性の主人公にしたい。
時と時間のニュアンスがよくわからないのでその違いを説明できてくれたら嬉しいです。
ちなみ、蛍火の読み方は「けいか」です。「火」とか「蛍」とか「情熱」とかの意味が欲しかったのでこの名前を選んだ。
遵「しゅん」はちょっと皮肉っぽい選択でした。
短い物語ですけど温かい目で見て頂けら嬉しいです。
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とても雰囲気のある文章ですね!物語の緊張感が伝わってきました。
@yumiyumayume @Sayuri 訂正をありがとうございました!いつも私の物語を読んでくれて嬉しいです。
@NevermoreLenore どういたしまして!NevermoreLenoreさんの書く物語はとても読み応えがあるし面白くて、いつも楽しみです!