「良い文章=添削が少ない」とは限らない
Japanese

「良い文章=添削が少ない」とは限らない

by

長年英文を添削してきた私の意見を書きます。

外国語を学ぶ方々は本当にレベルが様々ですね。先生が一文ずつ書き直さないといけないくらい拙い文章を書く人もいれば、ネイティブも顔負けするような文章を書く人もいます。

添削する側としてはなるべく学習者のレベルに合わせ、その人にとって参考になるような添削を提供するように心掛けています。 ただそれでも、添削しすぎると書く人が失望するんじゃないかとよく悩んでしまいます。

ということで…とにかく英語を学んでいる皆さんに知ってほしいのは、添削が多いからといって、文章のレベルが低いというわけではないということです。

逆に「添削が多いがとてもよくできた文章」の種類がいくつもあります。例えば、

①細かい間違いが多い場合

所々に冠詞や前置詞の間違いがありますが、全体としては非常によく伝わります。

②「プロ並みの文章」を目指している場合

ビジネス、仕事などに必要な英文を書いていると、文章は「文法の間違いがない」だけではなく、文の調子や構成、単語のチョイスがプロフェッショナルに相応しくないといけないのです。そのため、英語の試験では100点取れる文章でも、プロを目指している場合は赤ペンだらけになってしまうかもしれません。

③難しい話題に挑戦している場合

普段の日常では出てこないような話題だと、上級者でもどんなフレーズや単語を使ったら良いか迷ってしまうと思います。それでも、適切な単語や表現を知らないことから発生する「間違い」がたくさん出てきても、読んでいて内容がスッと頭に入るような分かりやすい文章になっているケースもたくさん見てきました。

④英語の知識はあまりないが、文章力が高い場合

なんだかんだ言って、第一言語の基礎能力がとても大事ですね。国語力が低いことが英語の勉強へ妨げになる場合は多いはずだと思います。また、母語での能力が高い人は外国語学習において他の人と比べて有利になるでしょう。文法がめちゃくちゃな人でも、文章のセンスがあるおかげでとても心に刺さる英文を書けることがあるのです。

逆に添削は少ないが、内容はものすごく単純であったり、全体としてはあまりピンと来なかったりする文章もよく見かけます。このような例について考えると、添削の数と文章の質との相関関係がそれほど強くないことが分かっていただけると思います。

…だとしたら外国語を学んでいる人は「添削の要らない文章」を目標にしない方が良いのかもしれません。

5