歩けなくなり、走れないまま
Japanese

歩けなくなり、走れないまま

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幼少期の事故以来、私は一度も自由に走ったことがない。

競技のためでも、遊びのためでもなく、ただ衝動のままに駆け出すという経験は、私の人生には最初から存在しなかった。

それでも、長い時間をかけて「歩く」ことだけは取り戻してきた。松葉杖を使いながらではあったが、自分の足で地面を踏み、前へ進めるという感覚は、確かな前進だった。いつかは松葉杖なしで歩けるかもしれない。そう思える段階に、ようやく辿り着いていた。

しかし今月、その積み重ねは一瞬で崩れた。雪の重みで屋根が落ち、車椅子で移動していた私の上に直撃した。避けることも、構えることもできないほど、唐突な出来事だった。

それ以降、歩くことは不可能になった。

走れなかった人生に、「歩けない」という現実が重なっただけだとも言えるが、その重さは決して同じではない。

走ることへの憧れは、記憶よりも先に存在していた。草原を横切るように、目的もなく身体を前に投げ出す。ただそれだけの行為が、ずっと遠い夢だった。その夢は、今回の事故で完全に断たれた。

回復には時間がかかる。

制作中だった楽曲も予定通りには進まず、完成目前だった一曲は延期せざるを得なくなった。ただ、その代わりに、この喪失感を起点に新しい曲を書き始めている。形になるまでには、かなりの時間が必要だろう。

前進していたはずだった。

努力も変化も、確かに積み上げてきた。

それでも現実は、容赦なくそれらを無効にする。

歩けなくなったこと以上に、「もう期待できないかもしれない」と感じてしまう自分自身が苦しい。世界の色が、瞬きひとつで鈍い灰色に変わる感覚には、今も慣れない。

それでも私は、音を作り続ける。

失われた可能性の代わりに、表現だけは手放さないために。

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