読んでいる本について #33
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読んでいる本について #33

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人のプライバシーを踏み込まないようにと守須が言ったというのに、島田と江南と共に紅次郎宅に再び行くことにした。江南は気が進まなかったが、とにかく行った。

午後三時くらいに紅次郎宅に着いた。

島田は呼び鈴を鳴らして、前回と違って、すぐに紅次郎は返事した。

一昨日どこにいたかと島田は尋ねた。紅次郎は毎日のように家にいるけど、前回は返事なかった。そろそろ締め切りの論文があったので、居留守を使うことにしたと紅次郎は説明した。

訪問の理由は千織のことだと島田は言った。単刀直入に「千織はあなたの娘なのか」と島田は尋ねた。腹を立てて「馬鹿な。一体そんなことを言うのか」と紅次郎は答えた。

状況からそれを思い込んでいると島田は言った。そして、彼は話し続けた。和枝と不倫したら、中村青司は嫉妬のせいで彼女を殺したかもしれない。彼は和枝を愛しすぎたので、彼女を殺すほど自分から離したくなかった。それより、どうして自分の娘を愛してないのか島田は分からない。

紅次郎は腹を立てて否定することしかない気がした。

島田はもう一つ質問があった。事件の前日はどこにいたのかと尋ねた。その日、紅次郎らしくなく、島田に電話して、私と酒を飲みにいきませんかと誘った。そして、二人は何軒かバーに飲みに行った。紅次郎の飲み方は、まるで自棄酒を飲んでいるようだったと島田は付け加えた。紅次郎は島田に家まで引きずられたほど酒を飲んだ。その夜、紅次郎は「和枝、私を許してくれ、許してくれ」を繰り返し言い続けたと島田は言いました。だから、事件が知らされた前に、すでに知っていた。

知るわけないと紅次郎は言い返した。

和枝の左手首が切り取られて、青司は紅次郎に送り付けたかもしれない。スキャンダルを恐れて、警察に何も言わなかった。そして、その夜に島田と飲み続けた、と島田は推定した。

事件について紅次郎を責めるつもりじゃなかった。だが、警察に何も言わないことが罪なのか、北村夫婦を救えたかもしれないんだから、と島田は言った。

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この部分は、紅次郎の行動にしては島田は言ったことが真相を仄めかした。

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